Wikitude SDK APIリファレンス

バージョン: 8.1.0
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Positionableクラス

使用:
継承元: ARObject
Module: AR

PositionableはDrawableがアタッチされた仮想オブジェクトを表します。Wikitude SDKでは、Positionableオブジェクトはトラッキングアルゴリズムによって認識されないので、プラグイン内で手動で配置する必要があります。Positionableを使用すると、Wikitude SDKのレンダリング機能でカスタム追跡アルゴリズムを指定できます。

Positionableは、

  • プラグイン中に2D画面の位置または変換マトリクスを指定することによって変換できます。
  • 関連付けられたDrawableを持つことができます。これらのDrawableはカメラビュー内でPositionableを表現します。
  • 関連付けられたトリガーを持つことができます。トリガーは特定のイベント時に発生し、関数を実行してそれらのアクションに反応します。
  • 視野に関連付けられたトリガーがプラグインに呼び出す必要があります。

インスタンス生成時にユニークな文字列識別子を渡す必要があります。この識別子を使用してハッシュテーブルからプラグインのUpdateメソッドにPositionableを取得できます。その後、Positionableは適切な変換マトリクスまたは2D画面の位置を指定することによって変換されます。Positionableは有効または無効にできます。Positionableが無効な場合はアタッチされたDrawableは描画されません。

インスタンス生成時にパラメーターを渡して、Positionableのプロパティをカスタマイズできます。

例:
// a circle used for representation
var circle = new AR.Circle(0.5);
// a Positionable having the circle attached as its drawable
var positionable = new AR.Positionable("myPositionable", {
    drawables : {
        cam : circle
    }
});

アタッチされたDrawableのレンダリングサイズについては、SDUのセクションを参照してください。

コンストラクター

Positionable

(
  • name
  • options
)

パラメーター:

  • name String

    Positionableのユニークな文字列識別子。

  • options Object オプション

    追加のオブジェクトプロパティをカスタマイズするためのパラメーター。

    設定可能なプロパティは以下のとおりです。

    • enabled (デフォルト値: trueBoolean オプション
    • renderingOrder (デフォルト値: 0Number オプション
    • onEnterFieldOfVision Function オプション
    • onExitFieldOfVision Function オプション
    • onClick Function オプション
    • onDragBegan Function オプション
    • onDragChanged Function オプション
    • onDragEnded Function オプション
    • onPanBegan Function オプション
    • onPanChanged Function オプション
    • onPanEnded Function オプション
    • onRotationBegan Function オプション
    • onRotationChanged Function オプション
    • onRotationEnded Function オプション
    • onScaleBegan Function オプション
    • onScaleChanged Function オプション
    • onScaleEnded Function オプション
    • drawables.cam Drawable[] オプション
    • snapToScreen.enabled Boolean オプション
    • snapToScreen.enableDelayed Number オプション
    • snapToScreen.enabledOnExitFieldOfVision Boolean オプション
    • snapToScreen.snapContainer DOM Element オプション
    • snapToScreen.onSnappedToScreen Function オプション
    • snapToScreen.onDelayedSnapInterruption Function オプション

メソッド

destroy

()

継承元: ARchitectObject

オブジェクトを破棄します。

drawables.addCamDrawable

(
  • drawable
  • position
)

継承元: ARObject

拡張オブジェクトをARObjectに追加します。

パラメーター:

  • drawable Drawable | Drawable[]

    追加する拡張オブジェクト。単一、または複数の拡張オブジェクトを配列で指定できます。

  • position Number オプション

    拡張オブジェクトを追加する配列内の位置。指定しない場合は、配列の最後に追加されます。整数にする必要があります。

drawables.removeCamDrawable

(
  • drawable|position
)

継承元: ARObject

拡張オブジェクトをARObjectから削除します。

パラメーター:

  • drawable|position Drawable | [Drawable] | Number

    単一、または複数の拡張オブジェクトを配列で指定すると、それらが配列から削除されます。整数を指定すると、指定した位置にある拡張オブジェクトが削除されます。

isVisible

() Boolean

継承元: ARObject

ARObjectの現在の可視/不可視状態を返します。ARObjectのロケーションまたはターゲットの少なくとも1つが、現在認識されている場合、そのARObjectは可視状態にあると定義されます。

戻り値:

Boolean:

ARObjectが現在認識されている場合はtrue。認識されていない場合はfalse。

プロパティ

destroyed

Boolean

継承元: ARchitectObject

オブジェクトがすでに破棄されているかどうかを示します。

drawables.cam

Drawable[]

継承元: ARObject

カメラビュー内で使用される拡張オブジェクト。

拡張オブジェクトが、配列の添え字順に表示されます。順序が後の拡張オブジェクトは、先に描画された拡張オブジェクトの上に重なります。

注:

配列の内容を[]演算子によって操作しないでください。それらの変更がアプリケーションに反映されるかどうかは保証されません。このプロパティを操作するときは、arobject.drawables.addCamDrawable()とarobject.drawables.removeCamDrawable()を使用するか、arobject.drawables.cam = new Array(...);を使用して直接設定してください。

enabled

Boolean

継承元: ARObject

ARObjectを有効または無効にするブール値のフラグ。

デフォルト値: true

name

String

カスタムプラグインのUpdate関数にPositionableを取得するためのユニークな識別子。名前はユニークである必要があります。このプロパティは読み取り専用で、生成時のみに設定することができます。

renderingOrder

Number

継承元: ARObject

異なるARObjectの拡張オブジェクトが重なる場合があります。その場合、renderingOrderによって、そのARObject間の拡張オブジェクトのレンダリング順序が決まります。renderingOrder値の高いARObjectに属する拡張オブジェクトが、renderingOrder値の低いARObjectに属する拡張オブジェクトの前面に描画されます。2つのARObjectに同じrenderingOrderが設定されている場合、それらの拡張オブジェクトは距離に基づいてレンダリングされ、ユーザーに近い方のオブジェクトが遠い方のオブジェクトより前面に描画されます。
たとえば、特定のARObjectの拡張オブジェクトを最前面に移動する場合は、対応するARObjectのrenderingOrder値を非常に大きい値に設定します。

同じARObject内の拡張オブジェクトの描画順序については、Drawable2D.zOrderを参照してください。

整数にする必要があります。

デフォルト値: 0

snapToScreen.enabled

Boolean

継承元: ScreenSnapper

trueに設定した場合、すべての拡張オブジェクトが、snapToScreen.snapContainer要素によって指定されたdivにレンダリングされます。このとき、Trackable2DObjectはonEnterFieldOfVision状態にある必要があります。そうでない場合、enabledをtrueに設定しても効果はありません。その代わりに、onEnterFieldOfVision状態にないときにenabledをfalseに設定することは有効です。したがって、Trackable2DObjectをカメラビューに固定表示できるのはターゲットが認識されているときだけですが、固定表示されているTrackable2DObjectはいつでも通常に戻すことができます。

デフォルト値: false

snapToScreen.enableDelayed

Number

継承元: ScreenSnapper

onEnterFieldOfVisionトリガーが実行されてからアタッチされたDrawableがカメラビューに固定表示されるまでの遅延時間。負の値を設定すると固定表示が無効になります。遅延中にターゲットが失われると、onDelayedSnapInterruptionトリガーが実行されます。

デフォルト値: -1

snapToScreen.enableOnExitFieldOfVision

Boolean

継承元: ScreenSnapper

trueに設定した場合、onExitFieldOfVisionトリガーが発生したときに、関連付けられた拡張オブジェクトがカメラビューに固定表示されます。このプロパティを使用すると、ターゲットがカメラビューから外れた場合にも拡張オブジェクトをカメラビューに固定表示できます。このような動作はenabledプロパティでは実現できません。固定表示を無効にするには、たとえば、onEnterFieldOfVisionトリガーなどの任意の時点でenabledプロパティをfalseに設定します。

デフォルト値: false

snapToScreen.snapContainer

DOM Element

継承元: ScreenSnapper

固定表示が有効な場合にこのTrackable2DObjectに関連付けられたすべての拡張オブジェクトを収容するDOM要素。すべての拡張オブジェクトがこの要素に収まるように、拡張オブジェクトにスケーリングを適用しなければならない場合があります。また、DOM要素のアスペクト比も確認する必要があります。

デフォルト値: null

イベント

onClick

継承元: ARObject

ARObjectのいずれかの拡張オブジェクトがクリックされたとき、どの拡張オブジェクトのonClick()トリガーでもクリックキューが停止されない場合に実行されます。ARObject.onClick()トリガーは、すべてのDrawable.onClick()トリガーが実行された後に実行されます。

複数のARObjectがクリックされた場合、実行順序はユーザーに対するARObjectの距離によって決定され、最も近いARObjectのonClickトリガーが最初に実行されます。

onClick()トリガーの戻り値は、このARObjectのonClick()トリガーが実行された後にキューの次のARObjectのonClick()トリガーを実行するかどうかを決定します。キューの最後のARObjectがさらにクリックキューの実行を要求した場合は、context.onScreenClick()トリガーが実行されます。

このトリガーの戻り値により後続のクリックキューの処理を決定します。falseの場合、クリックキューの実行はこのARObjectで停止しません。したがって、次のARObjectのonClick()トリガーが実行されます。これは、戻り値が設定されていない場合、またはこのARObjectに対してonClick()トリガーが定義されていない場合のデフォルト値です。trueの場合、キューの実行は現在のARObjectで停止し、後続のARObjectのonClick()トリガーは実行されません。

onDragBegan

継承元: ARObject

ユーザーが1本の指で1つ以上のDrawableをドラッグし始めたときに実行されます。このコールバックは、イベント伝播の流れとしてonClickコールバックと同じように動作します。

イベントペイロード:

  • xNormalized Number

    開始タッチ位置と更新タッチ位置[-1,1]との間のX軸上の距離。 ドラッグジェスチャへの変更が発生していない場合、onDragBeganは常に0です。

  • yNormalized Number

    開始タッチ位置と更新タッチ位置[-1,1]との間のY軸上の距離。 ドラッグジェスチャへの変更が発生していない場合、onDragBeganは常に0です。

onDragChanged

継承元: ARObject

ユーザーが1本の指で少なくとも1つのDrawableをドラッグすると実行されます。このコールバックは、イベント伝播の流れとしてonClickコールバックと同じように動作します。

イベントペイロード:

  • xNormalized Number

    開始タッチ位置と更新タッチ位置[-1,1]との間のX軸上の距離。

  • yNormalized Number

    開始タッチ位置と更新タッチ位置[-1,1]との間のY軸上の距離。

onDragEnded

継承元: ARObject

ユーザーが1本の指で1つ以上のDrawableをドラッグして停止したときに実行されます。このコールバックは、イベント伝播の流れとしてonClickコールバックと同じように動作します。

イベントペイロード:

  • xNormalized Number

    開始タッチ位置と更新タッチ位置[-1,1]との間のX軸上の距離。 onDragChangedで受信した最新の距離と常に同じ

  • yNormalized Number

    開始タッチ位置と更新タッチ位置[-1,1]との間のY軸上の距離。 onDragChangedで受信した最新の距離と常に同じ

onEnterFieldOfVision

このトリガーは、ARObjectの可視/不可視状態が不可視から可視に変更されたときに発生します。

このトリガーのデフォルト値はnullであり、トリガーが発生したときに何もアクションは実行されません。開発者はonEnterFieldOfVisionトリガーにカスタム関数を指定することで、カスタム機能を追加できます。

onExitFieldOfVision

Positionableの可視性が可視から不可視に変わったときに実行されます。

トリガーはデフォルトでは null であり、トリガーが発生したときに実行されるアクションはありません。開発者は、カスタム関数をonExitFieldOfVisionに割り当てることによってカスタム機能を追加できます。

onPanBegan

継承元: ARObject

ユーザーが2本の指で1つ以上のDrawableをドラッグし始めたときに実行されます。このコールバックは、イベント伝播の流れとしてonClickコールバックと同じように動作します。

イベントペイロード:

  • xNormalized Number

    開始タッチ位置と更新タッチ位置[-1,1]との間のX軸上の距離。パンジェスチャへの変更が発生していない場合、onPanBeganは常に0です。第1のタッチと第2のタッチとの間の中間点はスケールと回転のジェスチャーの同時動作のための距離の計算に使用されます。

  • yNormalized Number

    開始タッチ位置と更新タッチ位置[-1,1]との間のY軸上の距離。パンジェスチャへの変更が発生していない場合、onPanBeganは常に0です。第1のタッチと第2のタッチとの間の中間点はスケールと回転のジェスチャーの同時動作のための距離の計算に使用されます。

onPanChanged

継承元: ARObject

ユーザーが2本の指で少なくとも1つのDrawableをドラッグすると実行されます。このコールバックは、イベント伝播の流れとしてonClickコールバックと同じように動作します。

イベントペイロード:

  • xNormalized Number

    開始タッチ位置と更新タッチ位置[-1,1]との間のX軸上の距離。第1のタッチと第2のタッチとの間の中間点はスケールと回転のジェスチャーの同時動作のための距離の計算に使用されます。

  • yNormalized Number

    開始タッチ位置と更新タッチ位置[-1,1]との間のY軸上の距離。第1のタッチと第2のタッチとの間の中間点はスケールと回転のジェスチャーの同時動作のための距離の計算に使用されます。

onPanEnded

継承元: ARObject

ユーザーが1本の指で2つ以上のDrawableをドラッグして停止したときに実行されます。このコールバックは、イベント伝播の流れとしてonClickコールバックと同じように動作します。

イベントペイロード:

  • xNormalized Number

    開始タッチ位置と更新タッチ位置[-1,1]との間のX軸上の距離。onPanChangedで受信した最新の距離と常に同じです。第1のタッチと第2のタッチとの間の中間点はスケールと回転のジェスチャーの同時動作のための距離の計算に使用されます。

  • yNormalized Number

    開始タッチ位置と更新タッチ位置[-1,1]との間のY軸上の距離。onPanChangedで受信した最新の距離と常に同じです。第1のタッチと第2のタッチとの間の中間点はスケールと回転のジェスチャーの同時動作のための距離の計算に使用されます。

onRotationBegan

継承元: ARObject

ユーザーが2本の指で少なくとも1つのDrawableの回転を開始したときに実行されます。このコールバックは、イベント伝播の流れとしてonClickコールバックと同じように動作します。

イベントペイロード:

  • angle Number

    開始タッチ位置によって定義された線と更新されたタッチ位置[0,360]によって定義される線との間の角度でのCCW角度。回転ジェスチャの変更が発生していない場合、onRotationBeganは常に0です。

onRotationChanged

継承元: ARObject

ユーザーが2本の指で少なくとも1つのDrawableの回転をさせたときに実行されます。このコールバックは、イベント伝播の流れとしてonClickコールバックと同じように動作します。

イベントペイロード:

  • angle Number

    開始タッチ位置によって定義された線と更新されたタッチ位置[0,360]によって定義される線との間の角度でのCCW角度。

onRotationEnded

継承元: ARObject

ユーザーが2本の指で少なくとも1つのDrawableの回転を停止したときに実行されます。このコールバックは、イベント伝播の流れとしてonClickコールバックと同じように動作します。

イベントペイロード:

  • angle Number

    開始タッチ位置によって定義された線と更新されたタッチ位置[0,360]によって定義される線との間の角度でのCCW角度。 onRotationChangedで受け取った最新の角度と常に同じ。

onScaleBegan

継承元: ARObject

ユーザーが2本の指で少なくとも1つのDrawableの拡大縮小を開始したときに実行されます。このコールバックは、イベント伝播の流れとしてonClickコールバックと同じように動作します。

イベントペイロード:

  • scale Number

    開始タッチと更新されたタッチ間の距離の比を定義した[0、inf]のスケール値。 スケールジェスチャへの変更が発生していない場合、onScaleBeganは常に1です。

onScaleChanged

継承元: ARObject

ユーザーが2本の指で少なくとも1つのDrawableの拡大縮小したときに実行されます。このコールバックは、イベント伝播の流れとしてonClickコールバックと同じように動作します。

イベントペイロード:

  • scale Number

    開始タッチと更新されたタッチ間の距離の比を定義した[0、inf]のスケール値。

onScaleEnded

継承元: ARObject

ユーザーが2本の指で少なくとも1つのDrawable拡大縮小を停止したときに実行されます。このコールバックは、イベント伝播の流れとしてonClickコールバックと同じように動作します。

イベントペイロード:

  • scale Number

    開始タッチと更新されたタッチ間の距離の比を定義した[0、inf]のスケール値。onScaleChangedで受信した最新のスケールと常に同じ。

snapToScreen.onDelayedSnapInterruption

Function

継承元: ScreenSnapper

onExitFieldOfVisionイベントによって画面の固定表示が遅延した場合に呼び出されるトリガー。

イベントペイロード:

  • interruptionTimestamp Number

    enabledDelayedプロパティによってアクティブ化されてからonExitFieldOfVisionイベントによって中断されるまでの経過時間(ミリ秒単位)。

snapToScreen.onSnappedToScreen

Function

継承元: ScreenSnapper

拡張オブジェクトの固定表示時に呼び出されるトリガー。

イベントペイロード:

  • element DOM Element

    拡張オブジェクトを固定表示する対象のDOM要素。