ADE
ARchitect Desktop Environment(ADE)を使用すると、任意のWebブラウザでARchitect Worldの動作をシミュレーションできます。これにより、拡張オブジェクトのプロパティを確認したり、ユーザー操作やイベントをシミュレーションしたりすることが可能です。
ARchitect WorldでADEを有効にする方法
ADE機能を有効にするには、ダウンロードしたSDKファイルにあるToolsフォルダーに含まれているade.jsファイルを、作成したARchitect Worldのヘッダセクションにあるインポートスクリプトのリストに追加するだけです。
<html>
<head>
<script src="https://wikitude.com/libs/architect.js"></script>
<script src="[your_path_to_the_ade_file]/ade.js"></script>
</head>
<body>
...
</body>
</html>
次に、任意のWebブラウザでARchitect Worldを開きます。ARchitect Worldで指定したHTMLコンテンツがブラウザにただちにレンダリングされ、提供したJavaScript機能の実行が開始されます。
ファイルが正常にロードされると、指定したHTMLコンテンツがページの上部に表示され、その下に作成した拡張オブジェクトのリストが表示されます(拡張オブジェクトを作成していない場合は、自動的に生成された"context"オブジェクトのみが表示されます)。このリストはシステムが認識しているすべての拡張オブジェクトを表しており、新しい拡張オブジェクトが作成されるか既存の拡張オブジェクトが変更されると自動的に更新されます。
このリストは常に、拡張オブジェクトのタイプ(例: GeoLocation
)と、一意のオブジェクトIDを示します。
たとえば、上のリストの2行目は、__id
プロパティがa_0
に設定されたGeoLocationを表します。
ADEの使い方
新しい拡張オブジェクトを作成すると、その拡張オブジェクトがただちにリストに表示されます。拡張オブジェクトの横にある[+]記号をクリックして拡張オブジェクトを展開すると、定義された拡張オブジェクトのプロパティ値が表示されます。
青字のプロパティは、トリガーまたは関数が定義されていて実行可能であることを示します。黒字は、トリガーまたは関数が定義されておらず実行できないことを示します。上記の例では、onImageLost
トリガーが定義されています。このトリガーをクリックすると、指定した関数が実行されます。トリガーによってGeoObjectのプロパティが変更された場合、その変更が上記のプロパティのリストにただちに反映されます。
さらに、特定の拡張オブジェクトに関してその他のイベントの発生をシミュレーションできます。GeoObjectでは、そのGeoObjectがユーザーのカメラビュー内にあるとき、またはカメラビューの外にあるときをシミュレーションできます。Toggle Visibility
をクリックすると、GeoObjectがカメラビューに入ったとき、またはカメラビューから外れたときをそれぞれシミュレーションされます。関連するトリガーがデバイス上で発生したときと同じように自動的に実行され、疑似プロパティのvisibleの値が変わります。疑似プロパティ(artificial property)とは、デバイス上に存在しないプロパティのことです。これらは拡張オブジェクトのステータスをシミュレーションするためにADEでのみ使用されます。
拡張オブジェクト、トリガー、およびイベントは、ADEにおいて、デバイス上でARchitect Worldをと動作させた時と、まったく同じように動作します。唯一の例外はPropertyAnimationオブジェクトです。ADEでは、このオブジェクトの値は、EasingCurveの設定値のとおり動的には変わりません。PropertyAnimationの値が変わるのは、アニメーション終了時の1回だけです。値が動的に変わることはありません。