GrapeCity SPREAD for WPF 2.0J 関数リファレンス
相対参照と絶対参照

相対セル参照は、数式セルに対する相対位置で他のセルを指定する形式です。 絶対セル参照は、常にコントロール上の正確な位置によってセルを参照する形式であり、現在のセル位置とは比較されません。

相対参照をコピーすると、コピー先の参照位置は自動的に調整されますが、絶対参照をコピーしても参照先は調整されません。SPREAD for WPFでは、絶対参照と相対参照の両方を使用できます。 セルの参照形式を指定するには、コントロールのReferenceStyleプロパティを使用します。次の表は、数式内で有効となる相対セル参照の例を示します。

関数 説明
SUM(A1:A10) 1列目の1行から10行までのセル値を合計
PI( )*C6 円周率(π)に C6 セルの値を乗算
(A1 + B1) * C1 最初の2つのセル内の値を加算し、その結果に3番目のセル値を乗算
IF(A1>5, A1*2, A1*3) A1 セルの値が5より大きいかどうかを調べ、大きければ A1 セル値に2を乗算。そうでなければ A1 セル値に3を乗算

A1(アルファベット、行番号)形式では、絶対参照を示す場合、行または列(または両方)番号の前にドル記号($)を付けます。 以下に、この参照スタイルの使用例を示します。

$A$1 絶対的な第1列、絶対的な第1行
$A1 絶対的な第1列、相対的に1つ先の行
A$1 相対的に1つ先の列、絶対的な第1行
A1 相対的に1つ先の列、相対的に1つ先の行

R1C1(行番号、列番号)形式では、相対参照を示す場合、行または列(または両方)番号を [ ] で囲みます。 以下に、この参照スタイルの使用例を示します。

R1C1 絶対的な第1行、絶対的な第1列
R1C[1] 絶対的な第1行、相対的に1つ先の列
R[1]C1 相対的に1つ先の行、絶対的な第1列
R[1]C[1] 相対的に1つ先の行、相対的に1つ先の列
R[-1]C[-1] 相対的に1つ前の行、相対的に1つ前の列

R1C1 形式では、[ ] 内の番号は、現在のセルからの相対的な距離を意味します。 この番号は正または負の整数、または0によって指定します。 相対距離の値を省略すると、相対距離0の意味となります。 したがって、以下の式が成り立ちます。

   RC2 = R[0]C2

   R[3]C = R[3]C[0]

以下のトピックも参照してください。

 

なお、セル範囲の指定に絶対参照と相対参照の両方を使用する場合、以下の点について注意が必要です。

 

SPREAD for WPFでは、絶対的な行と相対的な行を使用してセル範囲を指定することはできません。つまり範囲を開始するセル(左上隅のセル)と終了するセル(右下隅のセル)の両方において行は絶対参照または相対参照で指定されている必要があり、開始セルあるいは終了セルのどちらか一方の行を絶対参照とし他方を相対参照とすることはできません。
列に関しても同様に、絶対的な列と相対的な列を使用してセル範囲を指定することはできません。

次の表は数式内で有効なセル範囲参照の例です。

$A$1:$B$4 範囲の開始セルおよび終了セルが、絶対的な行と列で指定されています。
$A1:$B4 範囲の開始セルおよび終了セルが、相対的な行と絶対的な列で指定されています。
A$1:B$4 範囲の開始セルおよび終了セルが、絶対的な行と相対的な列で指定されています。
A1:B4 範囲の開始セルおよび終了セルが、相対的な行と列で指定されています。

次の表は数式内で無効なセル範囲参照の例です。

$A$1:B4 範囲の開始セルは絶対的な行と列で、終了セルは相対的な行と列で指定されています。この指定方法はサポートされません。
$A1:B4 範囲の開始セルは絶対的な列で、終了セルは相対的な列で指定されています。この指定方法はサポートされません。
A$1:B4 範囲の開始セルは絶対的な行で、終了セルは相対的な行で指定されています。この指定方法はサポートされません。

 

数式でのセル参照の概要については、「数式内のセル参照」を参照してください。

 

 


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