PowerTools MultiRow for Windows Forms 8.0J
文字列型セル(TextBoxCell)


文字列型セル(TextBoxCell)は、.NET FrameworkのTextBoxコントロール(System.Windows.Forms.TextBox)と同等の機能を提供します。TextBoxCellを使用すると、ユーザーはセルにテキストを直接入力できます。
機能
TextBoxCellでは、基本セルの機能に加えて、次の機能を使用できます。

  • テキストの表示と入力
  • 複数行のテキストの入力
  • テキストのワードラップ
  • 読み取り専用のテキスト
  • パスワード文字のマスク
  • スクロールバーの表示
  • コンテキスト メニューの表示
  • イベント

各機能の詳細はTextBoxCellクラスのリファレンスを参照してください。
データ型
TextBoxCellはObject型の値を保持します。この型はTextBoxCell.ValueTypeプロパティで確認できます。
入力と表示には、String型にキャストした値が使用されます。この型はTextBoxCell.FormattedValueTypeプロパティで確認できます。Object型のToStringメソッドをオーバーライドすると、キャストする際の動作を変更できます。セルに値が読み出される場合の動作を変更するには、TextBoxCell.OnCellFormattingメソッドをオーバーライドします。セルから値が書き戻される場合の動作を変更するには、TextBoxCell.OnCellParsingメソッドをオーバーライドします。
セル編集コントロール
TextBoxCellの値はTextBoxEditingControlコントロールで編集できます。このコントロールはIEditingControlインタフェースとSystem.Windows.Forms.TextBoxクラスを継承しています。セル編集コントロールの型はTextBoxCell.EditTypeプロパティで確認できます。
スタイル
TextBoxCellはCellStyleクラスの次のメンバをサポートしています。セルのスタイルはTextBoxCell.Styleプロパティで設定します。

CellStyleメンバ 非編集時 編集時
BackColor 有効 有効
BackgroundGradientEffect 有効 -
Border 有効 有効
DataSourceNullValue 有効 有効
DisabledBackColor 有効 -
DisabledForeColor 有効 -
DisabledGradientEffect 有効 -
EditingBackColor - 有効
EditingForeColor - 有効
Font 有効 有効
ForeColor 有効 有効
Format 有効 有効
FormatProvider 有効 有効
Image 有効 -
ImageAlign 有効 -
ImeMode 有効 有効
ImeSentenceMode 有効 有効
InputScope 有効 有効
LineAdjustment GDI+互換モードの場合のみ有効 -
Margin 有効 有効
MouseOverBackColor 有効 -
MouseOverForeColor 有効 -
MouseOverGradientEffect 有効 -
Multiline 有効 有効
NullValue 有効 有効
Padding 有効 有効
PatternColor 有効 -
PatternStyle 有効 -
SelectionBackColor 有効 -
SelectionForeColor 有効 -
SelectionGradientEffect 有効 -
Tag 有効 有効
TextAdjustment GDI+互換モードの場合のみ有効 -
TextAlign 有効 水平方向のみ
TextAngle GDI+互換モードの場合のみ有効 -
TextEffect 有効 -
TextImageRelation 有効 -
TextIndent 有効 -
TextVertical GDI+互換モードの場合のみ有効 -
UseCompatibleTextRendering 有効 -
WordWrap 有効 有効

GDI+互換モードを有効にするには、TextBoxCell.Style.UseCompatibleTextRenderingプロパティをTrueに設定します。
ショートカットキー
次の表はTextBoxCellの編集時に処理されるキーとGcMultiRowコントロールで処理されるキーの一覧です。

修飾子 キー 文字列型セル GcMultiRow
なし Keys.PageUp 有効 -
Keys.PageDown 有効 -
Keys.End 有効 -
Keys.Home 有効 -
Keys.Left 有効 -
Keys.Right 有効 -
Keys.Up 有効 -
Keys.Down 有効 -
Keys.Insert - -
Keys.Delete 有効 -
Keys.BackSpace 有効 -
Keys.Control Keys.PageUp - -
Keys.PageDown - -
Keys.End 有効 -
Keys.Home 有効 -
Keys.Left 有効 -
Keys.Right 有効 -
Keys.Up - 有効
Keys.Down - 有効
Keys.A 有効 -
Keys.C 有効 -
Keys.V 有効 -
Keys.X 有効 -
Keys.Shift Keys.Left 有効 -
Keys.Right 有効 -
Keys.Up 有効 -
Keys.Down 有効 -
Keys.Home 有効 -
Keys.End 有効 -
Keys.Enter 複数行の場合のみ有効 -
Keys.F10 有効 -

  • Keys.Control+Keys.Cは、複数のセルが選択されている場合はGcMultiRowコントロールによって処理されます。
  • Keys.PageDownとKeys.PageUpは、TextBoxCellの値が変更されていない場合はGcMultiRowコントロールによって処理されます。
  • Keys.LeftはTextBoxCellのキャレットが先頭の文字よりも前にあるとき、GcMultiRowコントロールによって処理されます。
  • Keys.RightはTextBoxCellのキャレットが最後の文字よりも後ろにあるとき、GcMultiRowコントロールによって処理されます。
  • Keys.UpはTextBoxCellのキャレットが最初の行にあるとき、GcMultiRowコントロールによって処理されます。
  • Keys.DownはTextBoxCellのキャレットが最後の行にあるとき、GcMultiRowコントロールによって処理されます。
  • Keys.UpとKeys.Downは、TextBoxCellが複数行を許可しない場合はGcMultiRowコントロールによって処理されます。
イベント
セルの内容領域のクリックに対応した処理を実装するには、GcMultiRow.CellContentClickイベントを使用します。ダブルクリックの場合はGcMultiRow.CellContentDoubleClickイベントです。
セルの値が変更されたときの処理を実装するには、GcMultiRow.CellEditedFormattedValueChangedイベントを使用します。
TextBoxCellを編集中のイベントに対応した処理は、TextBoxEditingControlクラスのイベントを使用します。
標準コントロールとの比較
次の表はTextBoxCellとSystem.Windows.Forms.TextBoxコントロール、System.Windows.Forms.DataGridViewTextBoxCellクラスの主要なプロパティの比較です。

TextBoxCell TextBox DataGridViewTextBoxCell
なし AcceptsReturns なし
なし AutoCompleteCustomSource なし
なし AutoCompleteMode なし
なし AutoCompleteSource なし
Style.BackColor BackColor Style.BackColor
CharacterCasing CharacterCasing なし
Style.ForeColor ForeColor Style.ForeColor
MaxLength MaxLength MaxInputLength
Style.MultiLine MultiLine なし
PasswordChar PasswordChar なし
ScrollBars ScrollBars なし
Value Text Value
Style.TextAlign TextAlign Style.Alignment
UseSystemPasswordChar UseSystemPasswordChar なし
Style.WordWrap WordWrap Style.WrapMode
使用例
   
参照

 

 


© 2008-2015 GrapeCity inc. All rights reserved.