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仮想化
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C1MapVirtualLayer は、仮想化と非同期データロードをサポートしてマップ上に要素を表示します。一度に表示する要素が多くない場合は、これを使用して、無制限の数の要素を表示できます。そのオブジェクトモデルは C1MapItemsLayer とはまったく異なります。C1MapVirtualLayer では、マップ空間がいくつかの領域に分割されている必要があり、項目のソースは IMapVirtualSource インターフェイスを実装している必要があります。

マップ空間の分割は、MapSlice の C1MapVirtualLayer.Slices コレクションを使って定義されます。各マップスライスはに、その区分の最小ズームレベルが定義され、あるスライスの最大ズームレベルが次のスライスの最小ズームレベルになります。したがって、最後のスライスの最大ズームレベルは、マップの最大ズームレベルになります。さらに、各スライスは、緯度/経度のグリッドに分割されます。

例として次のレイヤを紹介します。

C#
コードのコピー
var layer = new C1MapVirtualLayer
{
Slices = 
{
new MapSlice(2, 2, 5),
new MapSlice(4, 4, 10)
}
};

ここには、ズーム5〜10 とズーム10〜最大ズームの2つのスライスがあります。ズーム値が元のスライスから別のスライスに移動すると、仮想レイヤはそのソースにデータを要求します。また、最初のスライスは緯度/経度によって2×2に分割されます。つまり、マップは4つの領域に分割され、レイヤは現在表示されている領域のデータのみを要求します。2番目のスライスが 16 個の領域に分割されているのは、ズーム値が大きくなるほど多数に分割した方がパフォーマンスが向上するためです。

IMapVirtualSource インターフェイスを理解するために、Factories サンプルの実装を紹介します。

C#
コードのコピー
public class ServerStoreSource : IMapVirtualSource
{
public void Request(double minZoom, double maxZoom, 
Point lowerLeft, Point upperRight, 
Action<ICollection> callback)
{
if (minZoom < minStoreZoom)
return;

var client = CreateFactoriesService();
client.GetStoresCompleted += (s, e) =>
{
if(e.Error == null)
callback(e.Result);
};
client.GetStoresAsync(lowerLeft.Y, lowerLeft.X, 
upperRight.Y, upperRight.X);
}
}

Request メソッドは、マップ空間の1つの領域をパラメータとして受け取るほか、コールバックを使って返される項目のコレクションを受け取ります。この実装は最初に、要求された最小ズームがアプリケーションパラメータより小さいかどうかをチェックし、小さい場合は何もしません。そうでない場合は、Web サービスを呼び出してデータを取得します。

サーバー側には GetStores の実装があります。これは、データベース内のすべての要素を反復処理して、要求された範囲内にある項目を返します。

C#
コードのコピー
public List<Store> GetStores(double lowerLeftLat, double lowerLeftLong, 
                             double upperRightLat, double upperRightLong)
{
    var stores = new List<Store>();
    var dataBase = DataBase.GetInstance(Context);

    foreach (var store in dataBase.Stores)
    {
        if (store.Latitude > lowerLeftLat
          && store.Longitude > lowerLeftLong
          && store.Latitude <= upperRightLat
          && store.Longitude <= upperRightLong)
        {
            stores.Add(store);
        }
    }

    return stores;
}

さらに上手な実装としては、すべての項目を反復処理しなくても済むように、あらかじめストアを領域に分割しておきます。