Wikitude 3D Encoder
Wikitude SDKでは、独自の形式である、Wikitude 3Dフォーマットファイル(.wt3)にエンコードされた3Dモデルのみ拡張オブジェクトとして使用できます。これは3Dモデルを拡張するために圧縮されたバイナリ形式のファイルで、モバイルデバイスで3Dモデルを高速に読み込み、処理できるように最適化されています。3Dモデルの作成には好みの3Dモデリングツール(AutodeskR MayaRやBlenderなど)を使用できますが、作成した3Dモデルをwt3ファイル形式にエンコードする必要があります。3DモデルのエンコードにはWikitude 3D Encoderデスクトップアプリケーション(WindowsおよびMac)を使用します。Wikitude 3D Encoderでは、AutodeskR FBXRファイル形式(.fbx)を.wt3にエンコードできます。
Wikitude 3D Encoderは、3Dモデルをwt3ファイルのような内部表現に変換します。これらのファイルは、Wikitude SDKによってレンダリングできます。コンバーターは、アニメーション、テクスチャ、光源によって点灯できるメッシュベースの3Dモデルをサポートしています。
3Dモデルから.wt3ファイルを作成する手順について以下に詳しく説明します。
- Wikitude 3D Encoderのインストール方法
- サポートされている3Dモデルのファイル形式
- Wikitude 3D Encoderのユーザーインタフェース
- Wikitude 3D Encoderを使用する最初のステップ
- 3Dモデルの操作
Windows XP/Windows 7/Windows 8でのWikitude 3D Encoderのインストール方法
- ダウンロードページからWikitude 3D Encoderをダウンロードします。
- setup.exeを実行し、ウィザードの指示に従い、インストールします。
Mac OS XでのWikitude 3D Encoderのインストール方法
- ダウンロードページからWikitude 3D Encoderをダウンロードします。
- .dmgインストールイメージを開き、Wikitude 3D Encoderアプリケーションをアプリケーションフォルダーにドラッグします。
サポートされている3Dモデルのファイル形式 (Input Files)
Wikitude 3D Encoder??は、AutodeskR FBXR のバージョン2015以下をインポートできます。FBX形式は標準ではありませんが、Autodesk Mayaまたは3D Studio Maxなどのようなほとんどの3Dモデリングツールでサポートされ、共通の3Dファイル形式として使用されます。様々なモデリングツールによって3Dモデルの表現が異なりますが、無償のAutodesk FBX Review(ダウンロード)を使用してモデルを確認することをお勧めします。
3Dモデルのソースファイルでは以下の機能を使用できます。
- (三角形で構成された)静的モデル
-
アニメーション
- トランスフォームアニメーション
- スケルタルアニメーション
-
マテリアル
- Phong、Lambert、Blinn
- Transparent
- NURBS(インポート時にテッセレーションされます)
現時点でサポートされていない機能
- 法線マッピング
- マルチテクスチャ
手元にある3Dモデルが要件に適合しているかどうか不明な場合は、Wikitude 3D Encoderで変換してみてください。その3DモデルがWikitude SDKで機能しない場合、またはサポートされていない機能が使用されている場合は、警告およびエラーのリストが表示されます。
Wikitude 3D Encoderのユーザーインタフェース
Wikitude 3D Encoderを起動すると、以下のユーザーインタフェースが表示されます。
- ツールバー
- 3Dモデルを表示する3D作業領域
- 3Dモデルのパーツをツリービューで一覧表示するシーングラフ
- シーングラフで選択したノードの詳細を表示するプロパティ領域
- ステータスバー
Wikitude 3D Encoderを使用する最初のステップ
まず、サポートされている3Dモデル(.fbx)を開きます。ツールバーから[Open]
をクリックするか、サポートされているファイルを3D作業領域にドラッグ&ドロップします。ファイルのサイズによっては、ファイルがロードされるまでに時間がかかる場合があります。ファイルがロードされたら、3Dモデルが3D作業領域に表示されます。
Wikitude 3D Encoderでサポートされていない機能がファイルに含まれている場合は、エラーまたは警告のリストを示すダイアログボックスが開き、インポート処理中に見つかった問題がまとめて表示されます。[Window] -> [Show Logging Window]
を使用してこの情報を再度確認することもできます。メッセージと詳細情報をチェックして3Dモデルのどこを修正しなければならないかを特定し、適切に変換できるよう3Dモデルに修正を加えます。
3D作業領域には、AR体験に拡張される場合とまったく同じように、変換された3Dモデルが表示されます。モデルをドラッグ、パン、ズームして、見た目に問題がないことを確認します。マテリアルや光源などの特定のプロパティを確認する場合は、シーングラフで対応するノードを選択します。選択したノードの詳細がプロパティ領域に表示されます。
.wt3ファイルのエクスポート
変換されたファイルに問題がなければ、ツールバーから[Export]
をクリックし、ファイルの保存場所を選択します。エクスポートされた.wt3ファイルは、Wikitude SDKを使用したAR体験で直接使用できます。.wt3ファイルをデスクトップで確認する場合は、[Open]
をクリックするかWikitude 3D Encoderにドラッグ&ドロップします。
3Dモデルを使用したワークフローの詳細については、「3Dモデルのワークフロー」のセクションを参照してください。
シーングラフとアニメーション
シーングラフでは、3Dモデルのすべてのパーツが階層表示されます。シーングラフのリーフは3Dモデルの各パーツを表します。シーングラフでノードを選択すると、そのパーツの3Dモデルでの位置を示すバウンディングボックスが表示されます(下の図の白い枠のボックスを参照)。
3Dモデルのすべてのパーツリストを取得するには、アプリケーションメニューを使用するか、ノードを選択してコンテキストメニューを使用する(または[Command]+[C]/[Ctrl]+[C]を押す)ことによって、ノードの名前をコピーします(下の図を参照)。
3Dモデルにアニメーションが含まれている場合は、それらのアニメーションがウィンドウの右側に表示されます。丸い再生ボタンをクリックすることで、各アニメーションを開始できます(下の図を参照)。
Wikitude SDKでパーツおよびアニメーションを使用する方法の説明ついては、「3Dモデルの拡張」
を参照してください。